ウリナラ・フィルター

んで、どの辺で「韓国」の話になっちゃったのかを探ってみた。 

【1.産経新聞の元記事】
「感染者がいないのではなく、把握できていないのではないか」と指摘するのは東京慈恵会医科大の浦島充佳准教授だ。

↑これが元記事ね。記事の冒頭では「同じアジアでも中国や韓国などは大きく増えていない。その理由は－」とはしているけど、この准教授は特定の地域を挙げていないし、原因の一つとして考えられる、准教授自身の見かたを述べているに過ぎない。
 

【2a.韓国・中央日報の記事原文(抜粋)】
이어 우라시마 미츠요시 도쿄자혜회의과대 조교수의 말을 인용, "(한국이나 중국은) 신종 플루 감염자가 없는 것이 아니라 감염자를 파악할 수 없기 때문일 것"이라고 전했다.

ところが、イルボン(=日本)の新聞記事を読んだ中央日報の記者が、自分のウリナラ・フィルターを通して記事にすると、こうなる……って、韓国語じゃ分かんないか。
 

【2b.上の抜粋記事の日本語訳】
続けて浦島充佳 東京慈恵会医科大 助教授^※1の言葉を引用、「(韓国や中国は)新種フル^※2感染者がいないのではなく、感染者を把握できないため」と伝えた。
※1：韓国ではまだ「准教授」を「助教授」と呼んでいる。
※2：フル＝インフルエンザの略

2a.の記事を日本語化してみたが、カッコ書きで「韓国や中国」が加わり、准教授が直接口にしたわけではないものの、韓国の状況について言及しているかのような印象操作がされている。しかも、原因を特定する断定口調になってしまっている。
 

【3.中央日報 日本語版の記事】
続いて東京慈恵会医科大の浦島充佳准教授の話を引用し、「(韓国や中国は)新型インフルエンザ感染者がいないのではなく、感染者を把握できていないのではないか」と伝えた。

2a.の記事を、中央日報の編集者が日本語訳して、日本語版ページに掲載した記事。断定調ではなくなったが、カッコ書きで「韓国や中国」が加わったままになっている。
 

整理してみると、こういうこと。

• 「中国や韓国で増えていない」と書いたのは、産経新聞の記者。准教授は特定の国や地域に言及していない。
   
• 産経新聞の記事を読んだ中央日報の記者が、あたかも准教授が韓国の状況に言及したかのような記事を書いた。
   
• しかも、准教授は「こういう理由ではないか？」という意見を述べているのに対し、中央日報は「准教授が理由を述べた」と断定しているように報じた。

んで、その記事を読んだ韓国人たちが産経新聞にブチキレ。
もうね、どうしろと……こんなの、中央日報の記者に読解力がないだけなのに(・о・)

いや、読解力というよりは、思い込みの問題かな。
「日本は韓国を苦しめたニダ！」「日本人は悪いやつらニダ！」「日本人は韓国人を嫌っているニダ！」「日本人は韓国人を蔑んでいるニダ！」って、心に思い浮かべながら産経の記事を読めば、日本の准教授が「韓国は感染者を把握できていない」と発言したと錯覚するんだろう。
厄介だなあ、ウリナラ・フィルターってやつは……。

まあ、普通の人がそういうフィルターを無意識に働かせるのは仕方がないとしても、こいつ、これでもマスコミ。ジャーナリスト。
日本にも遠慮なく真っ赤なフィルターをかけちゃうクサレ記者はいるけど、韓国の場合、たいていの記者が無条件でウリナラ・フィルターをかけちゃうから、もう言うこと為すこと全部が胡散臭い。

とにかく、起きている事実について、記者の個人的な思想や感情を織り交ぜて報じるのが韓国のマスゴミ。「本のあらすじを書け」って課題を出したら、読後のレビューを書いちゃうような、そんな斜め上の報道が国技。

頼むから、見たまんま、聞いたまんまのことを伝えてくれよ……って、それができないから問題になっているんだったな。……なんだ、もう詰んでるじゃん！ｗ