このblogは、「ENJOY KOREA」への投稿文の再掲です。
ENJOY KOREAがリニューアル後、過去の掲示物を削除することになったため、一部に加筆・修正をして、個人blogへ残すことにしました。
なお、日付はENJOY KOREAへの投稿日に合わせてあります。また、コメントはすべて省略してあります。
【1. 数ヵ月前に出会った外国人】
勤務先の俺の部署に本国から新しいボスが着任したので、日本式の歓迎会をやろうということになり、会社の近くの居酒屋で宴会が開かれた。
本国の歓迎会とはずいぶん様子が違うであろうが、新しいボスが早く日本文化に馴染もうとしている様子がなんとなく窺えた。
卓の上に並んだ料理の中に、山菜が盛られた皿があった。
それを見たボスが質問した。「これは何の料理なんだ?」
その場にいた全員が固まった。英語でどう説明していいのかが分からないのだ。俺以外はみんな英語が堪能な人たちばかりなのに、誰も答えが浮かばない。
Aさん:「山菜…… 何だろう?mountain vegetables?」
Bさん:「それは直訳しただけじゃないか。誰か辞書を持っていないか?」
Cさん:「自分が電子辞書を所持しているであります!∠(・ω・)」
Bさん:「おお!よし、調べろ!」
『edible wild plants』
Dさん:「"食べられる野草"?」
Bさん:「Wikipediaの英語版で調べてみよう。誰かPC出して。公衆無線LAN使える?」
Eさん:「PDAがあります!……あ、だめだ。無線LANの電波が来ていないや」
Fさん:「携帯電話でWikiに接続しました!∠(・ω・)」
Bさん:「おお!でかしたぞ!」
『a Japanese word literally meaning "mountain vegetables", referring to vegetables that grow naturally in the wild and have not been cultivated.』
(意味:野山に自生する栽培されていない野菜を指して、文字通り『山の野菜』を意味する日本語)
Bさん:「これだけ?」
Fさん:「ですね……。」
仕方がないので、得られた情報をボスに伝えたら、
ボス:「食用のwild plantsだって? お前らcrazyだ!www」
西洋人には野草を食べる習慣がないのだろうか。文化が違えば山菜もクレージーなのかも知れない。相手と異なる文化を説明するのは、とても大変なことだ。
しかし、ボスが言った「crazy」もジョークであることは見て取れたし、ボスの思惑どおり、その場は大爆笑となって、やがて宴は終わった。
月曜日の朝、出社したらボスから全員宛てにmailが届いていた。